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オンライン服薬指導

オンライン服薬指導とは?

オンライン服薬指導は、薬剤師がパソコンやスマートフォン、タブレット等の情報通信機器を活用し、患者に対して行う遠隔での服薬指導のことを指します。これは、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、患者の利便性向上と医療リソースの効率化を目指して導入されています。

 

オンライン服薬指導の歴史と背景

オンライン服薬指導は、2016年9月に国家戦略特区の離島・僻地で、薬剤交付時のテレビ電話装置等を用いた遠隔服薬指導の実証事業が開始されました。その後、2019年には国家戦略特区の都市部でも遠隔服薬指導が開始され、2019年12月の薬機法改正(2020年9月施行)により、一定の条件のもとでオンライン服薬指導が可能となりました。

2020年に世界的に流行した新型コロナウイルス感染症に対応するため、「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて(0410事務連絡)」が発出され、初診も含めた電話やオンラインによる診療・服薬指導が可能になりました。そして、2022年3月31日に公布・施行された改正薬機法により、薬剤師の判断で初回からオンライン服薬指導を実施できるようになり、オンライン診療や訪問診療に基づく処方箋だけでなく、ほとんどの処方箋でオンライン服薬指導が可能となるなど、規制緩和が進みました。

 

オンライン服薬指導のメリット

オンライン服薬指導には、患者と薬剤師の双方にとって多くのメリットがあります。

感染・接触リスクの低減

妊婦や小さいお子さんを持つ母親にとって、感染症に対するリスクを最小限に抑えることは非常に重要です。オンライン服薬指導は、外出や対面を避けることで、病院や薬局での感染リスクを減らし、安心して必要な医療を受けることができます。特に風邪やインフルエンザが流行している時期には、こうした接触リスクの低減が大きなメリットとなります。

行動負担の軽減

高齢者や障がいを持つ方、または交通機関が限られた地域に住んでいる方にとって、通院は大きな負担となりがちです。オンライン服薬指導を利用することで、自宅から服薬指導を受けられるため、移動時間や交通費を削減でき、通院による身体的負担も軽減されます。

利便性の向上

忙しいビジネスパーソンや子育て中の親にとって、オンラインで診療を受け、そのまま服薬指導を受けた後、自宅に薬を配送してもらうことで、時間と手間を大幅に節約できます。対面での待ち時間や移動が不要となり、効率的に医療サービスを利用できる点が大きな利点です。

プライバシーの保護

自宅からオンラインで服薬指導を受けられるため、他の人との接触を避けつつ、デリケートな疾患についてもリラックスした環境で相談できます。特にプライバシーを重視する若い世代や、慢性疾患を持つ方にとっては、この安心感が大きなメリットとなります。

時間の有効活用

働く親やフリーランスなど、時間に限りがある方にとって、オンライン服薬指導は時間を有効に活用できる手段です。移動や待ち時間が不要なため、仕事や家事、育児の合間に効率的に医療サービスを受けられます。

オンライン服薬指導の利用方法

オンライン服薬指導を受けるためには、以下の手順が一般的です。

  1. オンライン診療を受ける
    まず医師によるオンライン診療を受け、処方箋を発行してもらいます。
  2. 薬局への処方箋送信
    オンライン診療が終了すると、医療機関から処方箋を患者が指定した薬局へFAXするか、電子処方箋を発行して患者にその旨を伝えます。電子処方箋の場合には患者はマイナポータルを介して引換番号を取得し、それを薬局に送信する必要があります。
  3. オンライン服薬指導の実施
    患者はオンライン服薬指導の時間を予約します。予約した時間に薬剤師がオンラインで服薬指導を行います。患者はスマートフォンやタブレットなどの通信機器を使用して、薬剤師から服薬指導を受けます。
  4. 薬の受け取り方法
    オンライン服薬指導が終了すると、薬局で直接薬を受け取るか、薬局から自宅に薬を配送してもらいます。

今後の展望

新型コロナウイルスの蔓延によって医療のデジタル化が加速し、オンライン服薬指導は今後さらに普及していくと考えられます。特に、政府が推し進める電子処方箋や、2024年12月2日までに健康保険証をマイナンバーカードに集約する対応などによって、オンラインでの服薬指導が患者に身近になり、徐々に普及していくことが期待されます。

 

メディエイドの取り組み

メディエイドでは、PHRプラットフォーム「LiNQ-CIRCLE|リンクサークル」を構築・運用をしており、このプラットフォームでは、患者の医療情報や薬剤情報を安全に管理し、薬剤師や医療機関とスムーズに情報を共有できるようになっています。

本プラットフォームに接続する患者向けの「LiNQ-Palette|リンクパレット」と薬局向け「LiNQ-Pad|リンクパッド」では、オンライン服薬指導機能を提供しています。

またリンクパレットでは電子版お薬手帳の機能やマイナポータル連携機能、バイタルや食事・運動などの生活者・患者のPHRアプリ機能を提供しており、薬局向けリンクパッドではそれらのPHRデータを参照する機能を持っています。オンライン服薬指導においては、このようなPHRデータを参照しながら、服薬指導を行うことも可能となっています。

メディエイドの提供する薬局向けリンクパッドについてのご質問は以下からお気軽にお問い合わせくださいませ。

 


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PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)は、生活者・患者が自身の健康情報をデジタルで管理し、必要に応じて医療機関と共有できる仕組みです。LiNQ-PadはこのPHRの活用をさらに促進し、より高度な医療サービス提供を可能にします。

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