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Voice & Tone

Voice & Toneとは

Voice & Tone(ボイス & トーン)とは、
デジタルプロダクトがユーザーとコミュニケーションを取る際に、どのような“声”で、どのような“態度”で語りかけるかを定義するためのフレームワークです。

「使いやすいプロダクトは、言葉が優れている」
——この考え方をプロダクトデザインに本格的に取り入れたのが、Slack や Mailchimp などの SaaS プロダクトでした。

Slack は “Humble, Human, Straightforward(謙虚・人間味・率直)” という3原則を掲げ、
エラーメッセージからチュートリアルまで すべての文章に一貫した人格(Voice) を持たせました。
Mailchimp も「Friendly yet Professional(親しみやすいのに専門的)」という姿勢で、世界中のUXライターに影響を与えました。

このように、プロダクトが持つ“ひとつの人格”を Voice(ボイス) と呼びます。
Voiceはブランドの性格そのものであり、プロダクト全体でブレることはありません。

一方で、ユーザーの状況は常に変わります。
はじめての利用時、記録が続いたとき、エラーが出たとき──
求められる言い方や温度感は自然と変わります。

この“状況に応じた言い方の変化”を Tone(トーン) と呼びます。

Voice は変わらず、Tone は変わる。
この構造により、

  • ブランドとしての一貫性

  • ユーザー状況に合わせた柔軟さ
    の両立が可能になります。

言い換えると、
Voice は「何者として話すか」、Tone は「どんな気持ちで話すか」
を決めるための指針です。


一般的に使われる Voice の例

Voice は“標準の人格”のような役割を持ち、ブランドの立ち位置や世界観を言葉で表現します。
以下は、さまざまなサービスでよく使われる一般的なVoiceの例です。

1. Friendly(親しみやすい)

  • 語りかけるような文章

  • 柔らかい表現
    例:「こんにちは!今日は何を記録しますか?」

2. Professional(専門的で信頼できる)

  • 説明が正確

  • 落ち着いた語調
    例:「次のステップをご案内します。」

3. Cheerful(明るい・前向き)

  • 楽しい雰囲気

  • ポジティブな言葉
    例:「今日も一つ前に進みましたね!」

4. Calm(静かで落ち着いた)

  • 感情を抑えたトーン

  • 安心感を与える
    例:「ゆっくり進めて大丈夫です。」

5. Straightforward(率直・シンプル)

  • 過度な装飾なし

  • わかりやすさ重視
    例:「登録が完了しました。」

6. Empowering(励ます・支える)

  • 小さな成功を肯定

  • 行動の背中を押す
    例:「続けられていて素晴らしいです。」


一般的に使われる Tone の例(状況に合わせた表現の変化)

人もシーンに応じて語調がわかるように、シーンによってToneを変える必要があります。
Tone は Voice をベースにしながら、利用シーンに応じて温度感だけを調整します。
以下のToneの例となります。


① オンボーディング系(初回利用)

Tone:やさしい・歓迎・安心

こう書く例:

  • 「登録ありがとうございます。はじめての設定を一緒に進めましょう。」
    こうは書かない:

  • 「登録しました。以上です。」


② 日常利用(記録・閲覧)

Tone:軽い励まし・温かさ

こう書く例:

  • 「今日も記録してくれてありがとうございます。」
    こうは書かない:

  • 「記録しないと意味がありません。」


③ リマインド(行動促進)

Tone:押しつけない・やさしい案内

こう書く例:

  • 「今日は通院予定の日です。無理のない範囲で準備しましょう。」
    こうは書かない:

  • 「忘れずに行ってください。」


④ 注意喚起(異常値、重要な変化)

Tone:落ち着き・冷静・安心

こう書く例:

  • 「いつもと少し違う値が見られます。体調はいかがでしょうか?」
    こうは書かない:

  • 「異常です。」


⑤ エラー(通信・操作)

Tone:不安を与えない・次のステップ提示

こう書く例:

  • 「接続が不安定のようです。時間をおいて再度お試しください。」
    こうは書かない:

  • 「ユーザーの操作が間違っています。」


⑥ サポート(問い合わせ)

Tone:丁寧・親切

こう書く例:

  • 「お問い合わせありがとうございます。もう少し状況を教えていただけますか?」
    こうは書かない:

  • 「情報不足です。」


⑦ お知らせ(インフォメーション)

Tone:正確・簡潔・淡々

こう書く例:

  • 「明日10:00〜12:00にメンテナンスを実施します。」
    こうは書かない:

  • 「重要なお知らせ!必ず読んでください!」(必要以上に煽る)


Voice & Tone の一般的な検討プロセス

1. ターゲットユーザーを理解する

  • 年齢・リテラシー・利用環境

  • どんな気持ちでアプリを開くのか

  • どんな場面で困りやすいのか

2. Voice(人格)を決める

  • フレンドリー

  • プロフェッショナル

  • カーム

  • チアフル
    など複数のタイプから選び、ブランドの「一貫した声」を定義する。

3. Tone(状況による変化)をマッピング

  • 初回利用 → 明るく歓迎

  • エラー → 落ち着き

  • 通知 → あっさり簡潔

など、シーンごとのToneを調整。

4. シーンごとの文例をつくる

  • こう書く(Do)

  • こうは書かない(Don’t)
    をセットで用意することで、誰が書いてもブレなくなる。


UI/UX改善でお困りの方へ

Voice & Tone は、単なる言葉のルールではなく、
プロダクト全体の体験設計(UI/UX)と密接に関わっています。

メディエイドでは、
医療ヘルスケア領域に特化したUI/UXコンサルティング
を提供しています。
・UXリサーチ
・医療ヘルスケアアプリのUIデザイン
・ユーザビリティテスト
・プロダクトのUIデザイン改善

など、既存プロダクトの改善から新規アプリ開発まで幅広く支援可能です。

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