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情報設計(IA)

情報設計とは

情報設計(Information Architecture:IA)とは、Webサイトやアプリ、業務システムなどにおいて、ユーザーが必要な情報に迷わずたどり着き、理解し、次の行動に移れるように、情報の構造や表示順、導線、分類、ラベルなどを設計することです。

単に情報を整理して並べるだけではなく、
「誰が、どのような状況で、何を知りたいのか」
「その情報を見た後に、どのような行動を取るのか」
を考えながら、情報の見せ方や体験全体を設計することが重要です。

特に医療・ヘルスケア領域では、検査値、服薬情報、問診内容、食事記録、バイタルデータ、注意喚起、医療者からのコメントなど、多くの情報が扱われます。

そのため、情報をただ表示するだけではなく、生活者・患者さんや医療従事者が、必要な情報を適切に理解し、安心して行動できるようにする情報設計が求められます。


情報設計が重要な理由

情報設計が不十分な場合、ユーザーは「どこを見ればよいのか」「何をすればよいのか」がわからなくなり、サービスの利用を途中でやめてしまう可能性があります。

例えば、ヘルスケアアプリやPHRアプリでは、次のような課題が起こりやすくなります。

・記録したデータの見方がわからない
・次に何を入力すればよいかわからない
・重要なお知らせや注意事項を見落としてしまう
・医療者に見せたい情報をすぐに探せない
・専門用語が多く、内容を理解できない
・画面ごとに情報の並び方が違い、操作に迷う

医療・ヘルスケア領域では、ユーザーが体調不良や不安を抱えている状態でサービスを使うこともあります。

そのため、情報をわかりやすく整理し、余計な認知負荷を減らすことは、単なる使いやすさだけでなく、安心感や継続利用にもつながります。


情報設計で考える主なポイント

情報設計では、主に以下のような観点を整理します。

■情報の分類

どの情報を同じグループとして扱うのかを整理します。
例えば、PHRアプリであれば、体重、血圧、血糖値、歩数、食事、服薬、通院予定などを、どのような分類で見せるかを考えます。
ユーザーにとって自然な分類になっていないと、情報は存在していても見つけにくくなります。

■情報の優先順位

すべての情報を同じ強さで表示すると、ユーザーはどこを見ればよいのかわからなくなります。
そのため、緊急性の高い情報、確認頻度の高い情報、次の行動に必要な情報などを整理し、表示の優先順位を決めます。
医療・ヘルスケア領域では、注意喚起や服薬状況、検査値の変化など、見落としてほしくない情報をどのように伝えるかが重要です。

■導線設計

ユーザーが目的の情報にたどり着き、次の行動に移るための流れを設計します。
例えば、食事記録を入力した後に、栄養指導につながるのか、グラフで振り返るのか、医療者に共有するのかによって、必要な導線は変わります。
単に画面を並べるのではなく、ユーザーの行動の流れに沿って情報と機能を配置することが大切です。

■ラベル・文言設計

ボタン名、メニュー名、見出し、説明文などの言葉も、情報設計の一部です。
例えば、「データ連携」「外部連携」「ヘルスケア連携」など、同じような意味でも言葉の選び方によって、ユーザーの理解は変わります。
医療・ヘルスケア領域では、専門用語をそのまま使うのではなく、生活者・患者さんが理解しやすい表現に置き換えることも重要です。

■情報の粒度

どこまで詳しく表示するかも重要です。
最初から詳細な情報をすべて表示すると、ユーザーにとって負担になる場合があります。
一方で、必要な情報が不足していると、判断や行動につながりません。
そのため、一覧では要点を示し、必要に応じて詳細を確認できるようにするなど、情報の粒度を段階的に設計することが求められます。


情報設計が不足していると起こりやすい課題

情報設計が十分に行われていない場合、画面上には情報が表示されていても、ユーザーが必要な情報を見つけられなかったり、次に何をすればよいのか判断できなかったりすることがあります。

例えば、アプリのホーム画面に多くのメニューやお知らせが並んでいても、ユーザーにとって重要な情報が埋もれてしまうと、サービスの価値は伝わりにくくなります。

また、記録画面や入力フォームにおいても、項目の順番や言葉がわかりにくいと、入力の途中で離脱したり、誤った内容で登録してしまったりする可能性があります。

医療・ヘルスケア領域では、情報の見落としや誤解が、受診行動、服薬、生活習慣の改善、医療者とのコミュニケーションに影響することもあります。

そのため、情報設計では、単に情報を整理するだけでなく、ユーザーがどの画面で迷いやすいのか、どの情報を見落としやすいのか、どの言葉であれば理解しやすいのかを具体的に検討することが重要です。


情報設計とユーザビリティの違い

情報設計とユーザビリティは近い関係にありますが、考える対象が少し異なります。

ユーザビリティは、ユーザーがサービスやシステムをどれだけ使いやすく、効率的に、満足して利用できるかを考える視点です。

一方、情報設計は、その使いやすさを支えるために、情報の構造、分類、優先順位、導線、ラベルなどを整理する考え方です。

例えば、ボタンが押しやすい、文字が読みやすい、画面遷移がスムーズであることはユーザビリティに関わります。
一方で、どの情報をホーム画面に置くのか、どの項目を同じグループにまとめるのか、メニュー名をどのような言葉にするのかは、情報設計に関わります。

つまり、情報設計はユーザビリティを高めるための土台であり、UI/UXデザインの初期段階で整理しておくべき重要な要素です。


医療ヘルスケアDXにおける情報設計

医療ヘルスケアDXでは、医療機関や薬局、生活者・患者さん、家族、管理栄養士など、複数の関係者が情報を扱います。

そのため、同じ情報であっても、見る人によって必要な見せ方は異なります。

例えば、血圧の記録ひとつをとっても、生活者・患者さんにとっては「日々の変化がわかること」が重要であり、医療従事者にとっては「診療や指導に必要な傾向を把握できること」が重要になります。

また、食事記録であれば、生活者・患者さんには「記録しやすさ」や「続けやすさ」が求められ、管理栄養士には「指導に活用しやすい一覧性」や「過去の変化を確認しやすい設計」が求められます。

このように、医療ヘルスケアDXにおける情報設計では、単にデータを集めて表示するのではなく、情報を使う人の目的や状況に合わせて、必要な形に整えることが重要です。


医療領域の情報設計には専門的な背景理解が必要

医療・ヘルスケア領域における情報設計では、一般的なWebサイトやアプリとは異なり、医療特有の専門用語や制度、業務フロー、利用者の心理状態を踏まえる必要があります。

例えば、医療従事者にとっては日常的に使う言葉であっても、生活者・患者さんにとっては意味がわかりにくい場合があります。

また、医療機関、薬局、管理栄養士、家族など、関わる人によって必要な情報の粒度や見せ方も異なります。

さらに、医療・ヘルスケア領域では、情報の見せ方によって不安を強めてしまったり、逆に重要な注意喚起が十分に伝わらなかったりすることもあります。

そのため、医療ヘルスケア領域の情報設計では、単に情報を整理するだけではなく、医療の現場や業務、生活者・患者さんの理解度や不安に配慮しながら、誰に、どの情報を、どの順番で、どのような言葉で届けるかを設計することが重要です。


PHRアプリにおける情報設計

PHRアプリでは、生活者・患者さん自身が、日々の健康情報や医療情報を記録・確認・共有することが想定されます。

そのため、情報設計では次のような視点が重要になります。

・記録すべき情報がわかりやすいこと
・記録の負担が少ないこと
・日々の変化を振り返りやすいこと
・医療者に見せたい情報をすぐに提示できること
・本人だけでなく、家族や支援者にも必要な情報が伝わること
・不安を煽らず、次の行動につながる表現になっていること

PHRは、単に個人の健康データを保存する仕組みではありません。
生活者・患者さんが自分の状態を理解し、必要なときに医療機関や薬局などとつながるための接点にもなります。

そのため、PHRアプリにおける情報設計では、「データをどう見せるか」だけでなく、「その情報がどのようなコミュニケーションや行動につながるのか」まで考える必要があります。


情報設計とUI/UXデザインの関係

情報設計は、UI/UXデザインの土台となる考え方です。

UIデザインでは、ボタンや文字サイズ、色、レイアウトなどの見た目を設計します。
しかし、その前提として、どの情報を、どの順番で、どの画面に配置するかが整理されていなければ、見た目を整えても使いやすい体験にはなりません。

UXデザインでは、ユーザーがサービスを利用する前後の流れや、心理状態、行動変化まで含めて体験を設計します。
情報設計は、その体験の中で、ユーザーが必要な情報を理解し、迷わず行動するための基盤となります。

つまり、情報設計は、UIの見やすさとUXのわかりやすさをつなぐ重要な役割を担っています。


情報設計を行う際の注意点

情報設計を行う際には、提供側が伝えたい情報を中心にするのではなく、ユーザーが必要としている情報を起点に考えることが重要です。

特に医療・ヘルスケア領域では、事業者や医療者が伝えたい情報と、生活者・患者さんが知りたい情報にズレが生じることがあります。

例えば、サービス提供側は機能やデータ項目を詳しく説明したい一方で、生活者・患者さんは「自分にとって何ができるのか」「次に何をすればよいのか」を知りたい場合があります。

情報設計では、このような視点の違いを踏まえ、ユーザーが理解しやすく、行動しやすい構造に整えることが大切です。


まとめ

情報設計とは、ユーザーが必要な情報に迷わずたどり着き、理解し、次の行動に移れるように、情報の構造や導線、表示順、言葉を設計することです。

医療・ヘルスケア領域では、扱う情報が多く、専門性も高いため、情報設計の重要性はさらに高まります。

特にPHRアプリや患者向けアプリ、医療者向けシステムでは、情報をただ表示するのではなく、生活者・患者さんや医療従事者が、それぞれの目的に応じて活用できるように設計することが求められます。

また、医療ヘルスケア領域の情報設計では、専門用語、業務フロー、制度、利用者の不安や理解度など、医療特有の背景を踏まえることも重要です。

情報設計は、医療情報を生活者・患者さんにわかりやすく戻し、医療機関や薬局とのコミュニケーションにつなげるための、医療ヘルスケアDXにおける重要なデザイン領域のひとつです。


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医療ヘルスケア領域のアプリやWebサービスでは、機能や情報をただ並べるだけでなく、専門用語、業務フロー、情報の扱い方、生活者・患者さんの理解度や不安を踏まえた情報設計が求められます。

メディエイドでは、PHRアプリ、患者向けアプリ、医療者向けシステムなどの開発・改善において、医療ヘルスケア領域の背景を踏まえながら、情報設計からUI/UXデザイン、画面設計、プロトタイピングまで支援しています。

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