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MNA(エムエヌエー|Mini Nutritional Assessment) は、高齢者の栄養状態を包括的に評価するために開発された国際的なスクリーニングツールです。1990年代に Nestlé Nutrition Institute とフランスの研究チームによって開発され、主に65歳以上の高齢者を対象に、低栄養やそのリスクを早期に発見することを目的としています。
高齢化が進む中、低栄養は転倒や骨折、免疫力の低下、褥瘡(床ずれ)、生活の質(QOL)の低下などを引き起こす大きな要因となっています。
従来の評価方法は血液検査やBMIなどの身体的指標に偏りがちでしたが、MNAは身体・心理・生活習慣などを総合的に評価できる点が特徴です。高齢者に特化した設計のため、臨床・介護現場で幅広く活用されています。
MNAは以下の2つがあります。
MNA-SFは、MNAの6つの主要な項目を抽出し、より簡便に評価できるようにしたものです。MNA-SFで低栄養のリスクが高いと判定された場合は、より詳細な評価としてMNAを実施することが推奨されます。
6項目による簡易評価(約5分)。
主な項目は次のとおりです。
・食事摂取量の変化
・体重減少
・移動能力
・急性疾患または精神的ストレスの有無
・認知機能の変化
・BMIまたは下腿周囲長
18項目により、詳細な栄養状態を評価します。
評価内容には以下が含まれます。
・身体測定(体重、身長、BMI、上腕囲、下腿囲)
・食事内容と頻度
・健康状態と服薬状況
・認知・心理的状態
・自立度や居住状況
評価スコア | 判定内容 |
---|---|
12〜14点 | 栄養状態は良好 |
8〜11点 | 低栄養のリスクあり(要評価) |
0〜7点 | 低栄養の疑い(要介入) |
MNA-SFで11点以下の場合、MNA(長版)への移行が推奨されます。
評価スコア | 判定内容 |
---|---|
24点以上 | 栄養状態は良好 |
17〜23.5点 | 低栄養のリスクあり |
17点未満 | 低栄養の疑い(要介入) |
MNAは以下のような医療・介護の現場で幅広く利用されています。
・医療機関(外来・入院患者の栄養評価)
・介護施設(入所時・定期評価)
・在宅医療(訪問診療・訪問栄養指導)
・健康診断や特定保健指導の補助
特に、高齢者介護施設や地域包括ケアにおいて、定期的にMNAを実施することで、低栄養の予防と早期介入が可能になります。
MNAの評価結果をPHR(パーソナルヘルスレコード)に記録・蓄積することで、医師・管理栄養士・介護スタッフなどとシームレスに情報共有することができます。
これにより継続的な栄養管理が実現し、予防医療やチーム医療の質が向上します。
メディエイドでは、MNAをアプリ上で行える「MNAプラス」をネスレ日本社とともに提供しています。
現在は、PHRアプリ「LiNQ-Palette|リンクパレット」上において、「MNAプラス」を1つの機能として提供しています。
またMNAプラス自治体ごとにオリジナルのチェック機能を追加することもできるようになっており、一部自治体向けにはフレイルチェックツールとしての提供も行っております。詳細は以下からお問い合わせください。
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