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マイナンバー(医療等ID)

医療におけるマイナンバー活用の動向(いわゆる医療等ID)

国家が国民ひとりひとりに1つの番号を割り当て、社会保障制度や税制度の分野で効率的な運用を行い、かつ国民生活の利便性をより高めていく「マイナンバー制度 (社会保障・税番号制度)」が2016年1月から施行され、実際の運用が開始された。これに関連し、「医療等分野(健康・医療・介護分野)でも共通番号制度を活用する」という重要なテーマがある。

2016年1月から施行されたマイナンバー制度の対象分野は、社会保障・税・災害対策の各分野で利用することとされており、医療等分野での使用は現時点で規定されていない。一方、2015年5月29日の産業競争力会議にて、「医療連携や医学研究に利用可能な番号の導入」が挙げられ、2018年度(平成30年度)から段階的に運用を開始し、2020年(平成32年)の本格運用を目指すという方針が示された。
そして、同年6月30日に発表された「日本再興戦略改訂2015」において「医療分野における番号制度の導入」が盛り込まれ、マイナンバーとは別に医療等分野専用の番号制度を導入するという方針が閣議決定された。

また、厚生労働省が中心となり、2014年5月に「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会」が設置され、社会保障・税番号制度の制度設計等も踏まえ、医療等分野の情報連携に用いる番号のあり方、情報連携が想定される具体的な利用場面、番号制度のインフラの活用の考え方等などが議論されてきた。この研究会の成果として、2014年12月に「中間まとめ」、2015年12月に「報告書」が発表された。

2015年12月に公表された報告書では、2018年度から段階的な運用を開始し、2020年の本格運用を目指すと、閣議決定の方針に沿った内容となっている。

マイナンバーの具体的な活用

具体的な活用分野について、まずは「医療保険のオンライン資格確認」が挙げられている。マイナンバーの個人番号カードを健康保険証として利用し、保険医療機関受診時の保険証確認を確実・効率的にすると共に、請求支払い事務の効率化を目指している。これ以外の活用分野としては、保険者間の健診データの連携、医療機関・介護事業者等での連携、健康・医療の研究分野への活用、などが挙げられている。

出所:厚労省「医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会 報告書」2015年12月

前述のとおり、2015年6月の閣議決定により、医療等分野への番号制度導入が2018年度の運用開始を目指して正式に決定されたが、具体的な活用分野や活用に必要な制度・仕組みづくりはまだこれからのようである。とは言うものの、運用開始は2018年と2年後に迫っており、関係者にとっては、最新の動向把握と、それに応じた準備作業を開始する時期となっている。


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