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PROはPatient Reported Outcomeの略であり、日本語では「患者報告アウトカム」と訳される。従来、治療結果の評価法としては、生理学的、或は生化学的なアウトカム、また画像検査や生存率などの医学的指標が用いられてきたが、患者による主観的要素を考慮することは少なかった。一方で、生活習慣病やアレルギー疾患、癌などの慢性疾患の増加によって、アドヒアランス等、患者の治療参加がより重要になり、患者の認識や価値観が治療結果を左右することから、患者の主観的評価を科学的に測定していくことが求められてきている。この「患者が評価したアウトカム」が即ちPROであるが、この用語が使われ始めたのも21世紀に入ってからという新しい概念である。FDAは「患者の健康状態に関する患者から直接得られた報告に基づく測定」とされ、しかも「臨床医などによる患者の回答の修正または解釈を介さない」と厳格に医師の評価の影響を除外することと記載している。
参考資料:http://www.fda.gov/downloads/Drugs/Guidances/UCM193282.pdf
現在まで評価は紙が中心であったが、ePRO(electronic Patient Reported Outcome)のようなICTツールを用い電子的に記録、蓄積、分析が可能になってきており普及が見込まれる。
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