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シグニファイア

シグニファイアとは

シグニファイアとは、ユーザーに対して**「ここで何ができるのか」「どのように操作すればよいのか」を伝える手がかり**のことです。

UIデザインにおいては、ボタンの形、ラベル、アイコン、色、影、余白、説明文などがシグニファイアとして機能します。

たとえば、画面上に「送信する」と書かれたボタンがある場合、ユーザーはそのボタンを押すことで情報を送信できると理解します。
このとき、「送信する」という文言や、押せそうに見えるボタンの形がシグニファイアです。

シグニファイアは、ユーザーに行動を強制するものではありません。
しかし、適切に設計されていることで、ユーザーは迷わず、安心して次の操作に進むことができます。


シグニファイアの具体例

UIにおけるシグニファイアには、次のようなものがあります。

種類 伝える内容
テキスト 「保存する」「次へ」「キャンセル」 どの操作を行うか
アイコン 虫眼鏡、ゴミ箱、鉛筆 検索・削除・編集などの意味
強調色、警告色、非活性色 優先度や状態
角丸のボタン、入力欄の枠 押せる、入力できるという手がかり
影・浮き上がり カードやボタンのシャドウ 前面にある、選択できるという印象
マイクロコピー 「あとで変更できます」 不安の軽減や行動の補足

シグニファイアは、単なる装飾ではありません。
ユーザーの理解を助け、迷いを減らし、正しい行動へ導くための設計要素です。


アフォーダンスとの違い

シグニファイアと近い言葉に、アフォーダンスがあります。

アフォーダンスは、物や画面が持つ**「行動の可能性」を指します。
一方、シグニファイアは、その行動の可能性をユーザーに伝える
「手がかり」**です。

たとえば、ボタンには「押すことができる」というアフォーダンスがあります。
しかし、見た目がただの文字のように見えてしまうと、ユーザーはそれを押せると気づけません。

そこで、ボタンらしい形、色、ラベル、影、余白などによって、押せることを伝える必要があります。
この「押せることを伝える要素」がシグニファイアです。

つまり、アフォーダンスが「できること」だとすれば、シグニファイアは「できることに気づかせるもの」と考えるとわかりやすいでしょう。


UIデザインでシグニファイアが重要な理由

UIデザインでは、ユーザーに説明書を読ませるのではなく、画面を見ただけで操作の意味が伝わることが重要です。

スマートフォンアプリやWebサービスでは、ユーザーは画面を短時間で判断します。
どこを押せばよいのか、どの情報が重要なのか、次に何をすればよいのかがわからないと、操作をやめてしまうことがあります。

そのため、UIでは次のような視点が重要になります。

  • 押せるものが押せるように見えるか
  • 入力できる場所が入力欄として認識できるか
  • 重要な情報が目に入りやすいか
  • 危険な操作や取り消せない操作が明確に伝わるか
  • ユーザーが不安になりやすい場面で補足説明があるか

シグニファイアは、ユーザーの認知負荷を下げるためにも重要です。
操作の意味を毎回考えさせるのではなく、自然に理解できるように設計することで、ユーザーは本来の目的に集中できます。


医療ヘルスケア領域におけるシグニファイア

医療ヘルスケア領域のアプリやWebサービスでは、シグニファイアの設計が特に重要です。

なぜなら、利用者は必ずしもITに慣れている人ばかりではなく、体調不良、不安、緊張、時間的制約の中で操作することもあるからです。

たとえば、患者向けアプリでは次のような場面があります。

  • 処方箋画像を送信する
  • 服薬状況を記録する
  • 検査結果を確認する
  • 医療従事者に相談する
  • 家族の健康情報を管理する
  • オンライン服薬指導を開始する

こうした場面で、操作の意味がわかりにくいと、ユーザーは不安を感じたり、入力を途中でやめたりする可能性があります。

医療ヘルスケア領域では、単に「きれいな画面」を作るだけでは十分ではありません。
ユーザーが安心して操作できるように、言葉、色、形、配置、余白、階層表現などを組み合わせ、行動の手がかりを丁寧に設計する必要があります。


シグニファイア設計で注意すべきこと

シグニファイアは、多ければよいというものではありません。

強調色、アイコン、影、ラベル、説明文を過剰に使うと、かえって画面が複雑になり、何が重要なのかわかりにくくなります。

特に注意したいのは、以下の点です。

  • 色だけで意味を伝えない
  • アイコンだけに頼らない
  • 押せるものと押せないものの見た目を混同しない
  • 重要な操作には明確なラベルをつける
  • 影や装飾を使いすぎない
  • ユーザーが不安になる場面では補足文を添える

シグニファイアは、ユーザーの行動を助けるためのものです。
そのため、画面全体の情報設計や優先順位とあわせて考えることが大切です。


シグニファイアとデザインシステム

シグニファイアは、個別の画面だけで考えるのではなく、サービス全体で一貫性を持たせることが重要です。

たとえば、同じサービスの中で、ある画面では青いボタンが「次へ」を意味し、別の画面では同じ見た目の要素が押せない装飾として使われていると、ユーザーは混乱します。

そのため、ボタン、入力欄、アイコン、ラベル、アラート、カードなどの表現をデザインシステムとして整理しておくことが有効です。

デザインシステムの中で、次のようなルールを定義しておくと、シグニファイアの一貫性を保ちやすくなります。

  • 主要ボタンと補助ボタンの見た目
  • 入力欄の通常状態、エラー状態、非活性状態
  • 押せるカードと表示のみのカードの違い
  • アイコンとラベルの組み合わせ方
  • 警告や注意喚起に使う色と文言
  • シャドウやエレベーションの使い方

シグニファイアは、1つの画面の中だけでなく、サービス全体の体験を通じてユーザーに学習されていきます。
そのため、見た目や言葉のルールを整えることは、使いやすさだけでなく、安心感や信頼感にもつながります。


まとめ

シグニファイアとは、ユーザーに「何ができるか」「どう操作すればよいか」を伝える手がかりです。

UIデザインでは、ボタン、ラベル、アイコン、色、影、余白、説明文など、さまざまな要素がシグニファイアとして機能します。

特に医療ヘルスケア領域では、利用者が不安や迷いを感じやすい場面も多くあります。
そのため、操作の意味をわかりやすく伝え、安心して行動できるUIを設計することが重要です。

シグニファイアは、見た目の工夫ではなく、ユーザーの理解と行動を支えるための重要なデザイン要素です。


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